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菖蒲 敬久; 城 鮎美*; 村松 壽晴*
SPring-8/SACLA利用研究成果集(インターネット), 9(5), p.318 - 323, 2021/08
レーザー溶接は、照射領域が非常に小さく、制御も簡便であることから様々な金属材料に対してすでに実用化されている。本研究では実用化が期待されている異種材料レーザー溶接の課題の1つである、加工影響部付近のひずみ・応力・変形等について高エネルギー放射光X線回折法により評価した。銅と鉄の異材接合に関して内部変形測定を行った結果、線膨張係数が高い銅側はほとんど変形しておらず、鉄側に強い引張ひずみと熱影響部に塑性変形領域が確認された。加えて、鉄の塑性変形領域には銅が混ざったことが原因と思われる残留オーステナイト相が観測され、混在する金属材料中の材料強度評価にさらなる課題が明らかなとなった。
鈴木 裕士
熱処理, 46(1), p.11 - 18, 2006/02
X線回折法による非破壊応力測定技術は、ひずみゲージなどの機械的計測法に代わる測定技術として、工業分野から研究開発分野に至るまで、さまざまな分野に応用されている。最近では、放射光から得られる高エネルギーX線や中性子線を用いた新しい応力測定技術が開発され、材料表面直下や材料深部など、実験室系では測定が困難であった領域・条件における残留応力評価が可能になっている。本解説では、これら特性X線,高エネルギーX線,中性子線による残留応力測定技術について、その基本原理と幾つかの応用例について解説した。